ロケットストーブとは構造は単純ですが木材を効率よく燃焼させられる炉です.
簡単に製作できるので,東日本大震災の被災地においてガレキを燃やして暖を取るために使われました.
また,途上国のガスや電気が届いていない地域では,このようなバイオマスストーブが調理用熱源として用いられています.
ただ,設計は経験的に最適化された側面が強く学術的な評価はあまりされてないので,この研究では性能評価を行って高性能化を検討しています.
ロケットストーブとは
ロケットストーブという名は,吸気の際の音に由来しています.
構造的な特徴は,燃焼室+煙突の役割をするヒートライザを備えていることです.
ストーブに取り込む空気が不足すると不完全燃焼になり,すす,煙が出ます.
ヒートライザは,周りが断熱されているため,燃料と空気が混合して燃焼する空間を拡大できます.
また,それによって生成された高温の燃焼ガスが,焚き口での強い吸気をもたらします.
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実験装置
コンクリートU字溝とドラム缶を組み合わせて作ったロケットストーブを,実験室の前の屋外に設置しています.
燃焼状態を一定にするため,燃料には木質ペレットを使用します.
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U字溝を使ったロケットストーブ |
研究内容
燃料容器一体型火格子の検討
木質ペレットを効率よく燃焼させるため燃焼室に設置する火格子について検討を行ってきました.これまでの研究で燃焼室内に平面型の火格子を設置することで,木質ペレットのような堆積しやすい燃料であっても効率よく燃焼させることができました.しかし,断続的に新しい燃料を手動で追加するため燃焼状態が安定でなく,また一定量の燃料を投入し続けるため,燃料消費量に対する投入量の過不足が生じました.
これらの問題点の解決策として,ペレット容器一体型火格子を検討しました.ペレットの自重による連続的な燃料投入により,燃焼の安定化が行えました.
これらの問題点の解決策として,ペレット容器一体型火格子を検討しました.ペレットの自重による連続的な燃料投入により,燃焼の安定化が行えました.